2022年2月15日(火)
独 「人間の鎖」で不戦の願い
ドレスデン空襲77年に
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【ドレスデン(独ザクセン州)=桑野白馬】第2次世界大戦末期の英米軍による大空襲から77年となる13日、ドイツ東部ドレスデンの市民ら約3000人が市中心部で、不戦の願いを込めて「人間の鎖」をつくり、犠牲者を追悼しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、伸縮性のあるバンドを手に持ち、距離を保って輪をつくりました。
パートナーと一緒に参加したピーター・クロイプオーファーさん(46)は、「正当化できる戦争はないし、二度と繰り返してはいけない」と言います。戦場で負傷した祖父は市内の病院に運ばれ、爆撃前の最後の列車で市を離れたと言います。「少しタイミングが悪ければ私はここにいなかった。祖父が語る反戦のバトンを将来にもつないでいきたい」
この行動は、極右集団が「追悼」の名のもとに集会を開き、ナチス・ドイツが引き起こした戦争や虐殺を正当化しようとする試みから町を守る目的もあります。
ベーベル・バス連邦議会議長(社会民主党)はベルリンで開かれた議会冒頭での演説で、ドレスデンでの爆撃を念頭に「政治は常に、壊滅的な爆撃と死者とともにつくられてきた。戦後はなおさらだ」と強調しました。
午前には、市内各地の墓地でも追悼集会が行われました。