2022年2月15日(火)
遠山被告 違法仲介認める
元公明議員 貸金業法違反で初公判
新型コロナウイルス感染拡大に伴う日本政策金融公庫の特別融資を111回にわたり不正に仲介したとして貸金業法違反(無登録営業)罪に問われた元公明党衆院議員で元財務副大臣の遠山清彦被告(52)の初公判が14日、東京地裁(丹羽敏彦裁判長)でありました。同被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察側の冒頭陳述によると、遠山被告は2020年3月以降、太陽光発電関連会社「テクノシステム」元顧問の牧厚(まき・あつし)被告(74)=同法違反で在宅起訴=から公庫の新型コロナ特別融資を希望する業者などの紹介を繰り返し受け、秘書を通じて公庫の担当者に「融資依頼」と題した文書をファクスで送るなどしました。
仲介に際して遠山被告は、一部の融資依頼者から謝礼として現金を受領していました。
遠山被告が仲介した111回のうち82回が同被告による単独で、29回は牧被告を介したものとされています。
検察側によると、牧被告は企業側の依頼を政治家などに取り次いで報酬を得る「政治ブローカー」で、遠山被告と知り合ったのは16年ごろとみられます。牧被告は数十万円から約100万円を遠山被告にたびたび提供し、顧問先の依頼を取り次ぐなどしていました。
日本政策金融公庫は財務省などが所管する特殊会社で、遠山被告は19年9月から20年9月まで財務副大臣を務めていました。
遠山被告は、21年2月の議員辞職後も業者などから「手数料」を受け取ることを前提に公庫に対する融資希望者の紹介を続けていたとされます。
検察側は公庫について、新型コロナ感染拡大の影響で資金繰りに窮した中小業者などの融資依頼が殺到する中でも「国会議員からの依頼は円滑かつ丁寧に対応できるようにしていた」と指摘。対応窓口を本店の担当部門に集約し、審査を迅速に進めていたことを明らかにしました。
遠山被告は、新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言中に東京・銀座の高級クラブを訪れていたことが発覚し、議員を辞職。在宅起訴後の今年1月、公明党から除名されました。