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2022年2月11日(金)

スペイン 最賃引き上げ

3.6%増 政府と労組が合意

労働相「重要な一歩」

 【ベルリン=桑野白馬】スペイン政府は9日、月額最低賃金を3・6%引き上げ、1167ユーロ(約15万4000円)とすることで労働組合と合意しました。賃上げは今年1月1日にさかのぼって適用されます。


 現行の最低賃金は965ユーロ。全国二大労組の労働者委員会(CCOO)と、労働総同盟(UGT)が求めてきた「最低1000ユーロ以上への引き上げ」が実現します。

 ディアス副首相兼労働相は、合意後の共同記者会見で「この国にとって重要な一歩」だと強調。過去の右派政権の賃金抑制策が、景気低迷や不安定雇用を招き、不平等を拡大させたとして「政府は低賃金の仕事がはびこる状態を過去のものとし、まともで尊厳ある仕事のために前進する」と表明しました。

 CCOOのウナイ・ソルド書記長によると、若者や女性を中心に180万人以上の労働者が恩恵をうける見通し。UGTのアルバレス書記長は合意について「(最賃1000ユーロという)破ることが困難であった天井を破った」として「象徴的な意味合いも持つ」と述べました。

 スペイン議会は先週、政府が労組、使用者側と合意した労働改革の改正案を承認しました。一方、使用者側は今回の最賃引き上げ措置に反対の立場です。ディアス氏は「今回は(政府と労組の)2者間合意だった」と述べ、使用者側を含む3者間の対話で人々の生活改善を目指す方針だと表明しました。

 最賃引き上げは、2020年に発足した中道左派の社会労働党と左派連合ウニダス・ポデモスの連立政権が公約。発足当時の月額は900ユーロでした。


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