しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月15日(土)

内部留保還元し新自由主義転換

労働総研が春闘提言

 全労連と共同して調査・研究活動に取り組む労働運動総合研究所(労働総研)は14日までに「2022春闘提言」を発表しました。主要先進国のなかで日本だけが20年間、実質賃金が上がらず、長期不況の原因になっていると指摘。企業の内部留保のごく一部を還元するだけで、賃金・労働条件を抜本的に改善し、日本経済を再生の軌道に乗せることができると訴えています。

 この20年、新自由主義経済政策の下で大企業を中心にリストラと賃金抑制、非正規雇用の拡大などが行われ、2020年度末時点で704・3兆円もの内部留保が積み上がっていると指摘。「大企業の利益は拡大したが労働者・国民の生活はむしろ悪化し、大きなギャップを抱えている」と告発しています。

 「新自由主義からの転換」というのなら、(1)長期不況前まで賃金水準を戻す(2)この間の労働生産性上昇を踏まえた賃上げ(3)賃金水準を西欧先進国並みに引き上げる―ことが必要だと提起しています。

 全労連・春闘共闘が要求する月2万5千円の賃上げは内部留保の2・80%、時給1500円は2・98%、働くルール確立(不払い労働根絶、年休完全取得、週休2日制の完全実施)も2・14%で可能だと指摘。最賃1500円とサービス残業根絶、非正規雇用の正規化を行えば賃金水準を1997年のピーク時まで回復させることができるとしています。

 「賃上げ・労働条件の改善は企業の負担増になるが、やがて生産増、販売増として経営に跳ね返ってくる」と指摘。「内部留保のごく一部を活用するだけで賃金・労働条件を抜本的に改善し、日本経済を新たな成長軌道に乗せることが可能になる」と強調しています。

図

pageup