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2021年12月31日(金)

アフガン 女性の権利・自由制限相次ぐ

「正義を」と抗議デモ

 アフガニスタンのタリバン暫定政権による女性の権利や自由を制限する動きが相次いでいます。抗議の声が上がり、28日には首都カブールで、単独で遠出することを禁止する新たな法律の制定に対し、女性たちが「正義を!」とデモ行進しました。(石黒みずほ)


 デモ行進には多数の女性が参加しました。タリバン兵は発砲して威嚇。取材中の記者から機材を没収するなどして妨害しました。デモに参加したウィダさんは地元民放トロTVに対し、「私たち女性は20年前の状態には戻らない。私たちは黙らない」と話しました。

 新たな指令は26日に勧善懲悪省が発表したもので、女性が72キロ以上移動する場合に男性近親者の同伴を義務付けました。車両所有者に対し、髪や顔をスカーフなどで覆っていない女性の乗車を拒否することも求めています。

 カブール在住の助産師ファティマさんは英BBCに「夫がいない時に私や子どもが病気になったら、いったいどうすればいいのか。独立して生きる権利も幸せも失った」と語りました。

 人権団体からは、男性近親者がいない女性や、家庭内で暴力を受ける女性を懸念する声もあがっています。

 タリバンは8月に政権を掌握して以降、女性の権利に関して穏健な態度を示してきましたが、9月に閉鎖していた中等教育学校(通常13~18歳)について男性教員と男子生徒にのみ登校再開を指示。一時的としていた女性の外出禁止令はいまも続き、多くの女性たちが職場復帰できずにいます。

 11月には、女優が出演するドラマや番組の放送を禁止しました。「国境なき記者団」の調査によると、タリバンの復権後8割の女性ジャーナリストが失職しています。

 タリバン政権は、女性の権利の向上に取り組んできた女性問題省を廃止。2009年に制定された、強制結婚などの虐待から女性を守る「女性に対する暴力撤廃法」も撤回しました。


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