2021年12月31日(金)
年越し大人食堂
「ありがたい」受け取り笑顔
困窮者に食料支援 公助不十分 国は対策を
東京・千代田
コロナ禍で困窮する人を支援しようと「年越し大人(おとな)食堂」が30日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会で開かれました。新型コロナ災害緊急アクションや反貧困ネットワークなど複数の支援団体が主催。生活や医療の相談、食料を配布しました。
門が開く前から行列ができ、職や住まいを失った人など約278人が訪れました。スタッフが「どうぞ」「こんにちは」と袋に分けられた弁当や缶詰を手渡します。
「食料支援は昨年から数回利用している。これまで何とかやってきたけどコロナで厳しくなり、何とかできなくなってきた」と話すのは千葉県市川市から来たフリーランスの画家の男性(42)。きりつめていた生活をさらにきりつめ、アルバイトで食いつないでいるといいます。「政府が弱者を殺しにかかっているとしか思えないほど、支援がない。怒りしかない」と語ります。
事情があり、2年ほど路上生活をしている男性(74)は「こういった支援はありがたい。これで3日くらいはもつかなあ」と受け取った食料を笑顔で見つめます。
主催者の一つ、一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は、若年層や女性などが増え、来る人が多様化していると強調。「公助が十分に機能していない」とし、「生活保護に対するスティグマ(偏見)や、支援制度の条件の厳しさといった課題がある。低所得者や貯蓄ゼロ世帯が広がったところにコロナが直撃した。国の対策が必要だ」と述べました。
小池氏ら参加
日本共産党の小池晃書記局長、田村智子副委員長、谷川智行東京都委員会副委員長が参加。医師として相談にあたった小池氏は「『朝から何も食べていない』と体調の悪い人が訪れたので対応した。格差と貧困が深刻化している」と述べます。