2021年12月28日(火)
「黒い雨」認定指針案 長崎除外
県・市「受け入れられない」
原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びた被害者の救済に向けた厚労省が示した認定指針に対し27日、長崎県と長崎市は「広島に限定される指針案は受け入れられない」として、長崎を救済対象にするよう求めました。これに対し、厚労省は「長崎の被爆体験者については引き続き検討する」と回答しました。広島県と広島市は厚労省が示した11疾病を要するなどの指針案の受け入れをすでに表明したうえで、広島県は疾病要件の撤回を求めています。
厚労省が示した被爆者認定の指針案は、健康管理手当の対象の11疾病と白内障の手術歴があれば被爆者健康手帳を交付するというもの。さらに、救済対象を広島の「黒い雨」被害者に限定しました。
長崎の第二次全国被爆体験者協議会など3団体は厚労大臣に、広島高裁判決に沿った指針の検討など4項目の要望書を提出。長崎被爆地域拡大協議会は同日、広島の「黒い雨」被害者を分断し、長崎の被爆体験者を切り捨てる指針案に抗議する声明を発表しました。
広島「黒い雨」訴訟の元原告や弁護団、広島被爆者7団体は、広島県と市が「受け入れ表明(24日)」したことに対し、「被爆者援護法は疾病要件を必要としていない。新たな基準を採用すれば全員救済ができない」と抗議し意見書を国と県、市に提出しています。