2021年12月23日(木)
規制改革会議 介護基準議論
「4対1」に改悪検討
政府の規制改革推進会議で、介護施設の人員配置基準を現行の「3対1」(入所者3人に職員1人)から「4対1」に後退させる議論が行われており、介護現場からは「安全性と質の低下につながる」「必要なのは処遇改善と増員だ」との声が上がっています。
20日の医療・介護部会では、介護施設を展開するSOMPOケア株式会社が、センサーやカメラなどの導入と引き換えに「人員配置を半分にすると約30万人のマンパワーが創出」と主張しました。現行基準でも足りないとして多くの施設で「2対1」となっている現状を「4対1」に引き下げて人員削減をはかるねらいです。
大手社会福祉法人は「トヨタ改善方式でムダやムリを徹底的に削減」し、原則10人以下のユニット型特別養護老人ホームで、見守り機器を活用して「3対1」を達成していると報告。ユニットの定員を15人に引き上げ、夜間の人員配置基準の緩和を主張しました。
介護施設の人員配置基準の緩和はもともと政府の全世代型社会保障検討会議でも打ち出されたものでした。
2020年2月の会合ではSOMPOホールディングスの社長が「4対1やそれ以上の生産性向上に取り組まなければならない」などと主張していました。