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2021年12月21日(火)

新自由主義から転換へ

チリ大統領選 左派ボリッチ氏勝利

史上最年少35歳

 南米チリで19日に実施された大統領選で、格差拡大の新自由主義からの転換を掲げた左派候補ガブリエル・ボリッチ下院議員(35)が、右派のホセアントニオ・カスト候補(55)を抑え、当選を決めました。カスト氏も敗北を認めました。ボリッチ氏は来年3月に就任予定。チリ史上最年少の大統領となります。

 中央選管発表によると、開票率99・99%でボリッチ氏の得票率は56%。カスト氏は44%にとどまっています。

 現地からの報道によると、ボリッチ氏は結果を受けた演説で「民主主義に心を砕き、人々が必要とするものに日々対応する大統領になる」と決意を表明しました。

 チリでは、ピノチェト軍事独裁から民政移管した1990年以降の中道左派と中道右派の政権交代の下で、医療・教育・福祉予算を抑える新自由主義路線が維持されてきました。

 ボリッチ氏は、共産党など左派政党連合から立候補しました。チリを新自由主義の「墓場」にすると強調。富裕層増税などを通じ「福祉国家」を実現すると公約し、格差解消や新憲法制定などを求める青年層の支持を集めました。

 極右政党党首のカスト氏は新自由主義の継続を主張。ピノチェト軍政への肯定的態度も批判され、最終盤、ボリッチ氏を「共産主義者、全体主義者」と攻撃する作戦を強めましたが、功を奏しませんでした。

 チリ共産党のカミラ・バジェホ下院議員はボリッチ氏勝利の報を受け、恐怖ではなく「希望が勝利した」と地元紙に語りました。


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