2021年12月18日(土)
森友訴訟「夫はまた国に殺された」
赤木さん妻 抗議文提出
|
学校法人森友学園への国有地売却をめぐり、公文書の改ざんを強要され自ら命を絶った財務省近畿財務局の職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さんが17日、国を訴えた訴訟が国による「認諾」で突如終結したことを受け、財務省に自筆の抗議文を提出しました。抗議文は「真相を隠すために認諾をしたのでしょう」「夫はまた国に殺されてしまった」としつつ、認諾に至った経緯や理由の説明を求めています。
この日夕刻、雅子さんはコート姿で財務省前に到着。代理人弁護士ら3人と省内に入りました。
抗議文の提出後、雅子さんは報道陣の取材に応じました。国による認諾で俊夫さんの死の真相解明が困難になったことについて「言いたくないが、やはり『ふざけんな』と思う」「大きなフタを大きな穴の底に落とされ、重い重りを乗せられたようだ」と憤りました。
一方で「これからも弁護士と協議しながらたたかっていく」「負けるつもりはない」とも語りました。
雅子さんは国と佐川宣寿・元財務省理財局長を相手取り、2020年3月に賠償を求めて大阪地裁に提訴。全面的に争う姿勢だった国は今月15日、一転して請求を認め、訴訟を終結させました。
雅子さん側は真相解明を進めるため、同省理財局幹部などの証人尋問を求める方針でしたが、国がこれを阻んだ形です。
訴訟のうち、佐川氏に賠償を求めた部分は継続しています。
ふざけるなと言いたい 真相隠しは許さない…
赤木雅子さんの抗議文
自死した近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻、雅子さんが17日、財務省に提出した抗議文は以下の通りです。
私の国に対する損害賠償の裁判は、国が認諾したことで終わりました。
国が認諾したことについて、私は強く抗議します。ふざけるなと言いたいです。こんな形で終わってしまったことが悔しくて仕方ありません。
この裁判は、夫がなぜ死んだのかを知るための裁判でした。でも、国の認諾によってもう知ることができません。そのようなことでは、またきっと夫と同じように自殺に追い込まれる公務員が出てくるでしょう。自分で何があったのか説明したがっていた夫も、とても悔しがっていると思います。
国の認諾は、不意打ちですし、あまりに酷(ひど)いと思います。裁判官も知りませんでした。国は、これ以上裁判が進むと事実が明らかになっていくので、真相を隠すために認諾をしたのでしょう。本当に酷いと思います。
私は夫が国に殺されたと思っています。そして認諾によって夫はまた国に殺されてしまったと思います。夫は遺書で「最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ」と書いています。また認諾によってしっぽを切られたのだと思います。
私も夫も国の認諾は絶対に許しません。国は夫が亡くなったことと認諾したことについて、私に謝罪すべきですし、認諾するようになった経緯や理由を説明すべきです。
赤木雅子
|