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2021年12月10日(金)

岸田政権と対決 国政の転換迫る

志位委員長が代表質問

衆院本会議

 日本共産党の志位和夫委員長は9日、衆院本会議の代表質問で、新型コロナウイルス対策、補正予算案、内政・外交にわたる国政の基本問題について、岸田文雄政権の対応の問題点を厳しく追及し、対決姿勢を鮮明にしました。命、暮らし、環境、ジェンダー平等、平和を守る提案を示して国政の転換を迫る志位氏に、岸田首相はまともに答えられず、背を向ける答弁を繰り返しました。(志位氏の代表質問全文)(関連記事)


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(写真)代表質問する志位和夫委員長=9日、衆院本会議

 志位氏は、新型コロナのオミクロン株への対応について、岸田首相が所信表明で医療機関に対して病床確保を求めながら、「地域医療構想」の名で病床削減を進めている矛盾を指摘。「病床削減計画を中止し、病床の抜本的拡充にかじを切るべきだ」と求めました。

 志位氏はワクチンについて、3回目接種の思い切った前倒しとともに、富裕国と貧困国のワクチン格差解消への真剣な取り組みを要求。ワクチンに関する「知的財産権」の保護義務を一時免除する提案への支持を求めましたが、岸田首相は「検討する」と述べるだけでした。

 政府が提出した補正予算案の問題点について志位氏は二つの角度で追及しました。

 第一は、コロナで疲弊した暮らしと営業を救うものとは程遠いことです。個人向けの現金給付も、事業者向けの「事業復活支援金」も「困っている人に届かない」「きわめて不十分」と批判。支給対象や予算の拡大を求め「コロナでお困りの人を守る給付金」との公約を果たすべきだと迫りました。また、看護師、介護士、保育士の賃上げも不十分であり抜本引き上げを求めました。岸田首相は不十分な内容の支援策を繰り返すだけでした。

 第二は、大企業と軍事費に大盤振る舞いの予算になっていることです。志位氏は、半導体製造の台湾企業への4000億円もの補助金や、過去最大の軍事費7738億円が計上されていることを告発。「大企業と軍事費への異常な大盤振る舞いを、コロナで苦しむ人々の暮らしにあてるべきだ」「富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税5%減税の実現を」と迫りました。

 気候危機をめぐっては、「気温上昇を1・5度に制限する」決意を確認した「グラスゴー気候合意」と、九つの石炭火力発電の新増設は根本的に矛盾すると批判。選択的夫婦別姓について「反対」と答えたのは自民党衆院議員の28%(候補者アンケート)だとして、「党総裁として、いいかげん推進の方針を決めるべきだ」と求めました。

 沖縄県の玉城デニー知事が政府の設計変更を不承認とした米軍辺野古新基地建設については、軟弱地盤の最深部の調査を政府が拒否し続けている理由を追及。岸田首相は質問に正面から答えませんでした。

 志位氏は、核兵器禁止条約締約国会議に、米国の「核の傘」の下にあるドイツがオブザーバー参加を決めたとして、日本の参加を強く求めました。

 最後に志位氏は、「敵基地攻撃能力の保有」について、歴代政権が「憲法違反」としてきた解釈の変更を「検討」の対象にするのかと追及。「海外で戦争する国づくりへの暴走、9条改憲をはじめとする自民党改憲4項目に断固として反対を貫く」と表明しました。

 岸田首相は「敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していく」と述べ「憲法の範囲内で進めている」と強弁しました。


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