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2021年12月9日(木)

チリ 同性婚を合法化

圧倒的多数の賛成で可決

中南米で7カ国目

 南米チリの議会は7日、同性婚を合法化する法案を圧倒的多数の賛成で可決しました。大統領の署名を経て、政府公報での発表から90日後に発効します。同性婚合法化は当事者や人権団体が長年求めてきたもので、実現すれば中南米では7カ国目となります。

 現地からの報道によると、法案は11月23日に下院を通過。その後、上院の審議で解釈上の疑問点などが提起されたため、両院合同委員会で議論が続けられていました。

 同委員会は7日、問題を解決したとの報告を両院に提出。上院ではこの報告を含めた法案を賛成21、反対8で、下院では賛成82、反対20の大差で可決しました。

 チリではLGBT(性的少数者)の権利を守る団体が十数年前から、同性婚の合法化を求めてきましたが、男女間の結婚しか認めないとするカトリック教会の抵抗に直面してきました。しかし、ジェンダー平等を求める機運が広がる中で、保守派や右派政治家にも賛同が広がりました。

 法案は、同性婚合法化の具体策として、▽異性間の婚姻と同性間の婚姻の差別をなくす▽子どもの出生登録上の「父・母」の項目を男女区別のない「親」と変更する―などを盛り込んでいます。

 LGBT権利擁護団体のロランド・ヒメネス氏は、大差での可決に「感激し、満足している」「二級扱いされてきた同性愛者の家族にとって大きな喜びだ」と地元紙に語りました。

 右派政党出身のカルラ・ルビラル社会開発・家族相は7日、「きょうは歴史的な日だ。わが国は同性婚を承認した。愛は愛だと認めて、公正と平等という点で前進する第一歩だ」と強調しました。

 法案を推進してきたチリ共産党のカミラ・バジェホ下院議員はツイッターに「愛が勝利した」と投稿。無党派のペドロ・アナヤ上院議員は、カトリックの影響を強く受けてきたが、それを他者に押し付けないとして、法案に賛成。「きょうという日を、私たちがより公正で人間的かつ平等な国をつくり始めた日として記憶にとどめたい」とコメントしました。


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