2021年12月8日(水)
辺野古不承認に不服審査請求 沖縄防衛局
新基地反対の民意に背く暴挙
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防衛省沖縄防衛局は7日、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、11月25日に軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更申請を不承認とした県への対抗措置として、斉藤鉄夫国土交通相に、行政不服審査法に基づく不服審査を請求しました。新基地建設反対の民意をないがしろにする暴挙であり、岸田文雄首相の「聞く力」の欺瞞(ぎまん)が白日の下にさらされました。
国交相は、設計変更を不承認とした県の判断を審査し、不適切と判断すれば是正を指示します。しかし、同法は不当・違法な公権力の行使から「国民の権利利益の救済」をはかるのが目的です。行政機関である沖縄防衛局が審査請求を申し立てて、同じ政権である国交相が審査するのは法の趣旨をねじ曲げた制度の乱用です。
県の不承認通知書も、不服があった場合は行政事件訴訟法に基づく取り消しの訴えを求めることができるとしています。県としては行審法に基づく不服審査請求は違法となり、徹底的にたたかうとみられます。
そもそも、県が不承認を決断したのは、軟弱地盤の強度の調査が不十分であり、このままでは新基地完成後に崩壊の危険があることから、再三、再調査を求めていたにもかかわらず、国が応じなかったからです。その責任を投げ捨てての不服審査請求に道理はありません。玉城デニー知事は不承認決定に伴う記者会見で、「不確実な要素を抱えたまま見切り発車をしたこの工事は、絶対に完成しない」と断言しています。