2021年11月26日(金)
女性への暴力 ただちに根絶
最もまん延し、差し迫った人権侵害
国際デー国連行事
【ワシントン=遠藤誠二】女性に対する暴力撤廃国際デー(25日)を控え、国連は24日(米東部時間)、オンラインによる記念フォーラムを開催しました。グテレス国連事務総長は、女性への暴力が「最もまん延し、差し迫った人権侵害となっている」として、国際社会が撤廃に取り組むよう呼びかけました。
世界人権デーにあたる12月10日までの16日間、世界各地でジェンダーに基づく暴力をなくすための行動が続きます。
シマ・バホス国連ウィメン事務局長は、「暴力にさらされる女性や女子はすべての人の身近にいる」と指摘。紛争や気候変動による自然災害、食料危機などの中で女性への暴力が悪化し「7割以上の女性が暴力を経験」しており、コロナ禍によるDV増加という「影のパンデミック」も各国で発生している、と述べました。そのうえで「希望はある」と語り、女性の権利を守る運動が、政府に責任を果たさせるため世界各地で活動していると称賛しました。
グテレス事務総長は、欧州連合(EU)で加害者起訴は2割以上増え、84の法律等が成立・強化され、65万人以上の女性が保護・支援サービスにつながった―と成果を紹介。「変えることは可能だ。われわれの努力を倍にして、ともに取り組み、2030年までに女性と女子に対する暴力を撤廃しよう」と訴えました。
フォーラムには、各国のNGO(非政府組織)指導者など市民社会代表、政府代表らが発言。「女性への暴力は世界の緊急課題だ」「女性への暴力は減らすのではなく根絶させる」「ともに立ち上がり行動する時だ」と語りました。