2021年11月22日(月)
米空港清掃員 ストで勝利
時給450円賃上げ「歴史的」
米西部コロラド州のデンバー国際空港で働く約350人の空港清掃員は20日午前から賃金の引き上げと労働条件の改善を求めてストライキに突入し、その日のうちに労働組合側と会社側が賃上げを含む新たな労使間契約の締結で合意しました。サービス業国際労組(SEIU)の地域支部が同日午後、「歴史的な時給4ドルの賃上げ」を含む合意を勝ち取ったと発表しました。
今後3年間の新たな労使間契約は、今週にも見込まれる組合員の投票で承認される必要がまだありますが、労組側はただちにストを終結し、職場に戻る意向を示しています。
デンバー空港は、米国で最も混雑する大空港の一つに位置付けられ、感謝祭の連休中には同空港に200万人とも予測される利用客が訪れるのを直前に控えた中でのスト決行でした。
新たな契約によって、空港清掃員の時給は3年後に4ドル分(約450円)引き上げられ、現在の約17ドル(約1940円)の時給から2割以上の賃上げとなります。休憩時間の増加や、仕事量の制限といった労働条件の改善も含まれています。
労組側は、10月1日にも1日ストを決行して賃上げなどを求めていましたが、会社側のフラッグシップ施設サービスとの交渉は難航。「最終手段」として今回のストに踏み切りました。スト中には労働者から、「上司にトイレを掃除させよう」といったかけ声があがりました。
SEIUの105支部のロン・ルジェロ代表は「団結し、粘り強くたたかい続けた組合員を本当に誇りに思う。この2年ほど彼らはエッセンシャルワーカーというヒーローだと呼ばれてきたが、それにふさわしい待遇を求めともにたたかったのだ」と地元テレビの取材に答えました。