2021年11月19日(金)
憲法9条改定への危険な新局面
「改憲許すな」の草の根からの大運動を
志位委員長が記者会見
日本共産党の志位和夫委員長は18日、国会内で記者会見し、総選挙後の三つの動きをあげ「憲法9条改定への大変危険な新局面が生まれています」と指摘しました。「この新局面を直視したたたかいが必要です」と述べ、「9条改憲許すな」の草の根からの大運動を起こしていくことを呼びかけました。
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志位氏が指摘した三つの動きの第1は、岸田文雄首相の改憲“前のめり”の発言が際立ってきたことです。志位氏は、岸田首相が10日の記者会見で、「憲法改正を進めるため、党内の体制を強化するとともに、国民的議論のさらなる喚起と国会における精力的な議論を進めるよう指示した」と述べたことに言及。その後、自民党の「憲法改正推進本部」が「憲法改正実現本部」に名称を変更する動きが伝えられているとして、「まさに、憲法改定を実現するという体制強化がはかられ、国会でも議論の加速を首相が指示するという事態になっています」と述べました。
第2は、こうした動きと同時並行で、「敵基地攻撃能力の保有」の検討をはじめ、自衛隊を海外派兵型の軍隊につくり変える動き、軍事費を国内総生産(GDP)比で2%にしていくという大軍拡の動きが進んでいることです。
第3は、総選挙の結果生まれた新しい国会状況のなかで、日本維新の会と国民民主党が「憲法改正議論の加速」で合意したことです。志位氏は「これは自民党の改憲策動を応援・後押しする動きとして極めて重大です」と述べました。
志位氏は、三つの動きがあわさり、9条改憲への危険な新局面が生まれていることを直視したたたかいが必要だと強調し、「この動きの狙いは、ずばり憲法9条改定の国会発議をやることにおかれています」と告発。総選挙で自民党が9条への自衛隊明記をはじめとする「改憲4項目」を公約に掲げ、維新も9条について「正面から改正議論を行います」と公約に掲げたことを指摘しました。
その上で「どの世論調査を見ても、改憲、ましてや9条改憲を国民は決して望んでいません」と強調。9条改憲の動きは、海外での自衛隊の武力行使の一切の制約を取り外し、海外で戦争する国づくりを進めるものであり、「こういう方向を国民が望んでいるわけでは決してない」と指摘しました。
志位氏は、改憲勢力が、中国を念頭に「日本を取り巻く安全保障環境が厳しい」「それに備える」と口癖のように発言していることをあげ「中国の覇権主義的な行動には、国際法に基づいた冷静な外交的な批判で包囲していくことが大事であり、軍事に軍事で構えれば軍事対軍事の悪循環をつくりだし、東アジア地域の平和と安定にとって重大な逆流と危険をつくりだすことになります」と指摘。「9条改憲を許すな」「9条を生かした平和外交を」の一点で「草の根からの大運動を起こしていくことを強く呼びかけたい」と提起し、「党として運動の先頭に立って奮闘する決意です」と語りました。