2021年11月18日(木)
軍事費 別格
財務省「他分野より手厚い増額」
15→21年度
第2次安倍政権以降、軍事費(防衛関係費)が文教、中小企業対策費などと比べて突出した増額傾向にあることが、財務省が15日に同省の「財政制度等審議会」に提出した資料で分かりました。
財務省は「防衛関係費は、厳しい財政事情の中にあっても、安定的かつ継続的に他の分野よりも手厚い増額を確保」しているとしています。暮らしや教育切り捨て・軍事優先の予算編成を抜本的に切り替えることが急務になっています。
資料は、2015年度を基準として複数の分野の増減額を示しており、軍事費は21年度までに約3400億円増額。一方、文教・科学振興関係費は約700億円の増額にとどまっており、中小企業やエネルギー対策費、食料安定供給関係費を含む「その他」は合わせて約3000億円の減少となっています。
実際の予算額で比較しても、15年度時点では文教・科学振興関係費が5兆3613億円、軍事費が4兆9801億円と約3800億円差でしたが、21年度では文教・科学振興関係費5兆3969億円に対して軍事費は5兆3422億円と差がなくなっています。
大幅引き上げ狙う岸田政権
日本の軍事費は現在、国内総生産(GDP)比で1%弱ですが、岸田政権は「北大西洋条約機構(NATO)基準」とされる2%への大幅引き上げを狙っています。財務省は、恩給費や海上保安庁予算などを含むNATO定義で計算した場合、日本の軍事費はGDP比1・2%になると指摘。その上で、「我が国の国民負担率は諸外国と比べて低い。この点も考慮して考えるべきではないか」として、従来の「対GDP比」ではなく、「国民負担率」を新たな基準とすべきとの考えを示しました。
この基準に従えば、日本も他国の軍拡に歩調をあわせて軍拡競争に踏み込む危険があります。同時に財務省は、軍事費について他の経費とのバランスも考慮すべきだと指摘しています。
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