2021年11月16日(火)
絶対王制 回帰に反対
タイで若者ら大規模デモ
「この国は国民のものだ」
【ハノイ=井上歩】タイの首都バンコクで14日、王制改革の要求中止を命じた憲法裁判所の判決に抗議する若者らが大規模なデモを行い、王制改革と民主化を求める声を上げました。
バンコク・ポスト紙によると、参加者は「国を絶対王制に戻そうとしている」と憲法裁を強く批判。“独裁への抵抗”を示す三本指のポーズを掲げ、「絶対王制はいらない」「この国は国民のものだ」と訴えました。
参加者は、不敬罪の廃止をあらためて要求。昨年のデモで王制に批判的な言動をしたとして拘束された人々の解放を求め、不敬罪適用で運動の弾圧をはかるプラユット政権と対決していく姿勢を示しました。デモ隊の一部が警官隊と衝突し、数人がゴム弾を撃たれて負傷しました。
タイでは昨年、憲法裁による反軍政の政党の解党などに反発した若者たちが、軍政の流れをくむプラユット政権の退陣、民主憲法制定と王制改革を求める運動を拡大。憲法裁は10日、王制改革要求を掲げた集会のリーダーらに対し、体制転覆を意図しており違憲だとする判決を言い渡しました。