2021年11月12日(金)
新国会で救済法早く
全国空襲連が宣伝
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空襲など民間人の戦争被害者を救済する法の制定を求めている全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)は11日、開会した特別国会に合わせ、衆院第2議員会館前で宣伝活動をしました。
空襲で母と弟を失った鈴木正信さん(79)は「空襲で骨無く母は浄土へと」と書いた画用紙を掲げました。弟と母の遺骨はなく、空襲当時の具体的な話はいとこから聞きました。鈴木さんは「(生き残った)父にとり経験を語るのはつらかったのだろう」と振り返りました。戦後、父の再婚相手から差別された経験も語りました。
戦後生まれの人も宣伝に参加しました。テレビで空襲被害者問題を知り参加した50代の女性は「元軍人などは国の補償があるのに、民間の戦争被害者に救済がないのはおかしい。被害者も高齢化しており早急な救済が必要」と述べました。
浅見洋子事務局次長は、空襲を経験した兄がアルコール依存症に苦しんだ経験を振り返り「空襲の中で母と弟を救おうとし、心も体も使い果たしてしまったからだろう」と語りました。「戦争被害とは、武器を交えるような目に見えることだけでなく、目に見えない心の傷が人生の長きにわたり影響を与えることだ」と強調しました。
全国空襲連は12月7日に東京で総会を開催する予定です。空襲被害者救済の法案成立に向け、総選挙後に顔ぶれが新しくなった国会議員への働き掛けも強化していきます。