2021年11月11日(木)
三菱電機に追い出し部屋
労働者に退職迫る ユニオン 撤回要求
冷暖房なし 監視カメラ 仕事与えず
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三菱電機が、神奈川県鎌倉市の工場で、女性労働者を冷暖房もなく、出入り口に監視カメラを設置した「追い出し部屋」に入れ、退職を迫っていることが10日、明らかになりました。女性と加入する電機・情報ユニオンが同日、会社に「追い出し部屋」と監視カメラの撤去を求めて団体交渉を申し入れ、厚労省内で会見しました。
女性は、IT部門のインフォメーションシステム業務部の配属。2017年4月、関連会社からの出向解除とともに、6畳程度(約11平方メートル)の部屋に入れられ、経済紙3紙を読んでリポートを書くよう命じられました。
部屋は当初、冷暖房もなく、外部連絡手段は緊急用ナースコールだけ。女性は17年6月~8月に体調を崩し、3回救急搬送され、部屋にエアコンと内線電話が設置されましたが、つながるのは総務課だけでした。
18年7月、女性は病院でうつ病と診断を受け、休職。休職期間が終わり、今年9月、電機・情報ユニオンに相談して団体交渉を申し入れ、女性に受けるよう指示されていた個人面談は中止になりました。女性は会社から退職届を書くように用紙が渡されていました。
会見で女性は「拷問や虐待のようだ」と訴え。米田徳治委員長は、「もはや“追い出し部屋”を通り越して、“監禁部屋”だ。女性が安心して会社で働けるよう交渉していく」と強調しました。
三菱電機の広報は本紙に「後日、団体交渉に応じる準備をしているので、詳細についてはコメントを控える」と答えました。