2021年11月10日(水)
COP26inグラスゴー
化石燃料産業から最も多い「代表団」
会議への「疑心」指摘する声も
国際環境団体が調査
【グラスゴー=桑野白馬】環境保護団体「グローバル・ウィットネス」は8日、英北部グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に、化石燃料産業から最も多くの「代表団」が参加しているとする調査結果を明らかにしました。
同団体が会議開始時の参加者リストを分析したところ、化石燃料産業と関わりのある503人が参加登録していました。これは、過去20年で最も深刻な気候変動の影響を受けた8カ国の代表団の合計数を上回ります。COP26の参加登録者は約4万人。公式代表団の人数が最も多いのはブラジルの479人、議長国の英国は230人となっています。
今回のCOPには、100社以上の化石燃料企業のほか、30の業界団体や会員組織が参加しています。グローバル・ウィットネスは、石油会社やガス会社の利益を代表する業界団体の一員をロビイストと定義。カナダ、ロシア、ブラジルを含む27カ国の代表団からもロビイストが参加しているとしています。
ガスキャンペーンリーダーのマレー・ウォルシー氏は「人間と地球を守るために必要な変化を見ようとしない汚染者とその代弁者の祭典で、有意義な世界的行動を求める声を小さくしてはならない」と強調。化石燃料業界に関わりのある何百人もの存在は「気候活動家たちの疑心を増大させる」と指摘しました。