2021年11月5日(金)
最大規模の日米指揮所演習
アジアの緊張高める危険
11~12月
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過去最大規模の日米共同指揮所演習「ヤマサクラ81」が陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)で11月から12月にかけて予定され、大規模な臨時の建物の建設を計画していることが、4日までにわかりました。
ヤマサクラ81で指揮所に使用する建物と配電設備の建築・レンタル・解体業者を、横田基地(東京都)の米空軍第374契約中隊が募集。大阪府内の建設業者が9月21日に約1億6700万円で受注しました。
指揮所は臨時任務訓練複合施設(中央統制施設)として使用する幅9メートル2階建ての長さ64・8メートルと75メートルの2棟と、通行管理所として使用する1階建て2棟の計4棟です。納入・設置から解体・原状復旧までの事業期間は9月23日から来年1月31日まで。11月17日から12月23日のレンタル期間が準備・撤収を含む演習期間とみられます。
伊丹市平和委員会によると、同駐屯地での過去の演習でも、今回のような大規模な臨時建物を建設した例はないと言います。
同駐屯地や饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)などでは今年6月から7月にかけて、米軍の対中国作戦を想定した陸自と米陸軍の過去最大の実動演習「オリエント・シールド21―2」が実施されています。
演習を中止し、平和外交を
日本平和委員会の千坂純事務局長の話 今度の史上最大の日米共同統合指揮所演習は、30年ぶりの全陸自部隊が参加する史上最大の演習、米英3空母も参加した台湾周辺での6カ国演習への参加に続くものです。3月の日米安保協議委員会合意の「実践的な二国間及び多国間の演習及び訓練」強化の具体化です。対抗するように、中国、北朝鮮、ロシアの軍事活動が活発化しており、軍事対軍事の緊張の激化と戦争の危険を高めるだけです。日本がやるべきは、台湾問題の平和的解決、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築など、憲法に基づく平和外交です。演習の中止を求めます。