2021年11月2日(火)
COP26inグラスゴー
平均気温1度上昇も
「22年までに」WMO警鐘
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【グラスゴー=桑野白馬】世界気象機関(WMO)は10月31日、2002年から22年にかけての世界の平均気温の上昇が、産業革命前と比べて、初めて1度を超える勢いだとする報告書を発表しました。作成に関わった英国気象庁のステファーン・ベルチャー氏は「この事実は、世界の気温上昇を1・5度未満に抑えようと志すCOP参加者たちの心を引き締めるだろう」と話しました。
報告書は、複数の国連機関や各国の気象・水文学機関と科学の専門家の知見をとりまとめたもの。食料の安全保障問題や生態系への悪影響についても言及しています。
温暖化による海面上昇も深刻で、13年から21年までの上昇幅は、1993~2002年から倍加しました。20年には、大気中の主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)やメタン、一酸化二窒素の値も過去最高となり、今年もその傾向が続いています。
今年の世界の平均気温(1~9月)は、1850~1900年の平均値よりも1・09度高かったとしています。年初に、気温低下をもたらすラニーニャ現象が発生した影響で、史上5~7番目の温暖な年にとどまっています。
WMOのターラス事務局長は現在のペースで温室効果ガス排出が続けば、今世紀末までに世界の気温が2度をはるかに超えて上昇すると警告し「COP26は、わたしたちが軌道に乗れるかどうか成功を左右する会議となる」と語りました。