2021年10月31日(日)
太平洋の島国「断固とした行動を」
COP26へ パリ協定履行求める
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地球温暖化による海面上昇で存亡の危機に直面する太平洋の島国の首脳は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が「地球温暖化を産業革命前から1・5度の上昇に抑えるための断固とした行動をとる」よう求めています。
太平洋諸国15カ国の首脳は28日、声明を発表し、COP26に対し、「気候変動が太平洋諸国に対する最大の脅威であること」を再確認し、パリ協定の義務の履行を求めました。また富裕国や温室効果ガスの大量排出国に対して、新型コロナウイスルのパンデミックは「野心的な気候対策を遅らせる理由にはならない」と警告。クリーンで気候変動を引き起こさない投資を通じて持続可能な経済回復を図るべきだと呼びかけました。
ロイター通信によると、キリバスのアノテ・トン前大統領は、「今、具体的な行動が必要だ。私たちは2050年まで待てない。私たちの生存がかかっている」と語りました。トン氏は、キリバスの33の環礁・島は、30~60年後には人が住めなくなると警告しました。
声明は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会の報告書が40年までに気温上昇は1・5度を超えるとしているとし、「われわれ太平洋諸国にとって壊滅的だ」と指摘しました。
太平洋諸国はまた、COP26に先立って開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に対しても、気温上昇を1・5度未満に抑えることができるように各国の温室効果ガスの排出削減目標の引き上げ、50年までの実質排出ゼロ、石炭火力発電所の段階的廃止を約束するよう求めました。(伊藤寿庸)