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2021年10月24日(日)

野党攻撃 Dappi 運営企業

就業時間に中傷ツイート 自民と関連企業が販売先

岸田首相・甘利氏も元代表取締役

 ツイッターで、野党や政権に批判的なマスコミに誹謗(ひぼう)中傷の攻撃的な投稿を繰り返すアカウント「Dappi」(@dappi2019)は、個人を装いながら、実際の発信元は東京都内の企業名でした。「Dappi」の化けの皮がはがれるにつれて、明らかになるのは自由民主党との深い関係とフェイクニュースを量産、拡散する手法です。


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(写真)「Dappi」を名乗るツイッターアカウント。「偏向報道をするマスコミは嫌いです」などと自己紹介しています

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(写真)「Dappi」の発信元となっている企業が入るビル=東京都内

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(写真)岸田首相や甘利自民党幹事長が代表取締役をつとめていたシステム収納センターのあるビル=東京都千代田区内

 留守番電話から流れる「本日の営業は終了させていただきました」の音声。平日の日中にもかかわらず、「Dappi」の発信元企業は全く電話に出ません。東京都世田谷区内にあるオフィスを訪ねても反応がありません。

 立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が「Dappi」の投稿で名誉を傷つけられたとして10月に損害賠償訴訟を起こしました。そのために発信者情報の開示を求めたところ、この企業だったことが判明しました。

 「Dappi」は10月1日以降、ツイッター投稿をパタリとやめています。

 以前から、「Dappi」の投稿が組織的なのではないか、という疑問があがっていました。

 東京大学大学院工学系研究科の鳥海不二夫教授は「@dappi2019」が2019年6月から投稿した5137件のうち5066件を収集し、分析しました。

 鳥海教授は「平日の午前9時から午後6時の時間帯に投稿が多い」と指摘します。その一方で、土日の投稿は少なく、投稿が「一般企業の就業時間に行われている」ことがわかりました。

 また「Dappi」は情報を拡散する上で、他のアカウントがそれを引用して再投稿するリツイートが多く行われていました。

 鳥海教授は、「Dappi」をリツイートしたアカウントの「プロフィール」欄に着目しました。

 「通常プロフィールが空白の人は12%程度だが、100回以上リツイートしたアカウントのプロフィールは25%が空白であり、空白率が2倍であった上に、通常22・4%しかいない過去のツイート数1万回以上のアカウントがプロフィール空白アカウントの75%近くおり、通常とは異なる特徴を持っている」と指摘します。

 民間調査機関の企業情報によると、「Dappi」の発信元企業の販売先は、自民党とシステム収納センター(東京都)となっています。

 このシステム収納センターは自民党の関連企業で、自民党本部から「負担金」として17~19年の3年間だけでも1億2200万円余を受け取っていました。

 同社の歴代の代表取締役は自民党国会議員が就いており、岸田文雄首相は03年から2年間、甘利明党幹事長は01年に代表取締役となっていました。

 「しんぶん赤旗」日曜版のスクープで、発信元企業の社長と自民党の元宿仁事務総長が親戚であることが発覚しました。発信元企業は本紙の取材に一切、回答していません。企業を使って組織的に、民主主義を歪(ゆが)める野党攻撃に自民党は関与していないのか―。真相解明が求められます。


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