2021年10月1日(金)
辺野古ノー行動 再開へ
あす ゲート前からネット配信
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の阻止を目指す「オール沖縄会議」は2日、コロナ禍で昨年10月以来中断していた、毎月第1土曜日の県民大行動を、密を避け、コロナ禍でも継続できる「ブルーアクション」として再開します。同日は11時から、辺野古ゲート前からのネット配信で県内外を結びます。新基地建設の現場では、コロナ禍でも強行される工事への不屈のたたかいが続いています。(前田泰孝)
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27日正午、辺野古ゲート前。緊急事態宣言下にもかかわらず、この日も工事車両十数台が列をなしていました。ゲート内に入った9月の車両台数は、1日約50~270台。(ヘリ基地反対協調べ)
オール沖縄会議は宣言中、ゲート前行動を休止しましたが、それでもやむにやまれぬ人が数人、毎日やってきます。この日も、工事車両がゲートに入る午前9時と正午、午後3時の3回、抗議者たちはゲート前に2メートル間隔に置いたイスに座って、「辺野古新基地NO」のプラスターを掲げ抗議の意思を示しました。
「移動してください」と機動隊のアナウンスが始まります。コロナ禍前なら、一人ひとりごぼう抜きする排除に至ります。しかしこの日、抗議者は淡々と自らの足でその場を離れます。機動隊とのもみ合いをさけるのも、感染防止策の一環です。
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「宣言」中も大量土砂搬出
辺野古監視 コロナ下全国に発信
28日午前8時すぎ、辺野古漁港から抗議船で海へ。台風の影響で海はしけ、船は上下左右へと波に遊ばれます。この日、海上の作業に動きはありません。それでも、辺野古側の埋め立て地では動くユンボ(油圧ショベル)が。
対照的な国の姿
緊急事態宣言下の8月27日から始まったN2護岸をのぞみます。「ひと月で100メートルを超えるほどに(護岸が)伸びてきた」。抗議船の船長で牧師の金井創さん(67)は語ります。
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海上の抗議行動も感染防止対策に余念がありません。抗議船は定員の半分、カヌーは上限8艇まで。船の中ではお互いに距離をとり不要な話は慎みます。
「コロナ禍でも工事の進捗の監視は必要。全国に発信する務めがある」と金井さんは行動の意義を語ります。
コロナ禍のもとでの運動の在り方に苦心する人々がいる一方、対照的なのは、国の姿です。
驚きの調査データがあります。本部町島ぐるみ会議調べで明らかになった、辺野古の埋め立てに使う土砂を搬出しているダンプトラックの台数の推移。琉球セメント安和桟橋と塩川港に停泊する土砂運搬船に土砂を入れたことが確認できたダンプの台数を集計したものです。
まん延防止等重点措置期間中の5月の搬出量は2万9920台分。調査開始以降最大です。5月23日に沖縄県に緊急事態宣言が発出された直後の6月も、2万9342台とほとんど変わりません。
その後も月2万台を維持。2万超えは2018年12月の調査開始から、20年末までは三つの月のみ。21年以降は2万台超えが常態化し、緊急事態宣言発出後も2万台超えが続いているのです。
スマホを通じて
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同会議事務局の阿波根美奈子さん(68)は「車両は月から土曜、午前7時から午後8時までひっきりなし」だといいます。
2日の県民大集会は全国各地をネット配信でつなぎます。県内では各市町村の島ぐるみ会議がスタンディングを行います。
前出の金井さんは「オンライン集会のよさは、スマホなどを通じて一人ひとりがより主体的につながれること」だといいます。
「オリンピックと同じで、辺野古はコロナ禍とは別世界。コロナ禍でこれだけ命を犠牲にしながら、命を奪う基地建設を続ける、この国とは何なのか。どう考え、行動すべきか、一人ひとりが問いなおすきっかけになれば」と、大集会に期待しています。
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