2021年9月27日(月)
民間輸送使い陸自演習
京都・仙台駅などから軍事物資運ぶ
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9月15日から11月下旬にかけて10万人が参加し、1万2千人が九州方面へ機動展開(瞬時に移動)する「陸上自衛隊演習」で、フェリーやトラック、鉄道など民間の輸送力を大規模に活用して部隊や補給品を輸送する計画であることが、防衛省が日本共産党の塩川鉄也衆院議員に提出した文書で判明しました。中国との紛争を想定し、“戦場”への輸送に民間人を大規模に動員する狙いです。
文書によれば、演習は大きく5項目に分かれており、このうち「兵站(へいたん)・衛生訓練」では、全国から九州に補給品を輸送。民間船舶に加え、鉄道も利用。九州の港や駅に集積し、トラックで演習場まで輸送します。文書には京都駅、仙台駅といった、通勤・通学で利用客の多い駅も明記されています。塩川議員の聞き取りでは、倉賀野駅(群馬県)から西大分駅(大分県)までJRを使用することも明らかになりました。
防衛省はこれまで、機動展開能力を高めるため、民間フェリーの活用を進め、訓練での使用が常態化していますが、鉄道をこれだけ大規模に使用するのは異例です。
在日米軍港湾施設・横浜ノースドックの使用も明記しています。
1万2千人が移動する「機動展開等訓練」では、第2師団(司令部・北海道旭川市)、第6師団(山形県東根市)、第14旅団(香川県善通寺市)の計約1万2千人、車両3900両を、海路と陸路で九州に機動展開。輸送には民間フェリーも活用します。海上輸送で使用する港湾名には、小樽、苫小牧、室蘭、八戸、仙台、大洗、東京、新潟、敦賀、舞鶴、名古屋、神戸、坂出、八幡浜、新門司、大分、鹿児島の名前が記載されています。
防衛省は「対中国」を念頭に、全国の自衛隊基地から南西諸島への機動展開能力強化を想定。今回の演習がその一環であることは明らかです。
陸自演習の大移動 コロナ対策に逆行
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日本共産党の塩川鉄也衆院議員の話 陸自10万人が参加する、30年ぶりといわれる大規模演習をなぜ、このコロナ禍のもとで行うのか。とくに北海道などから1万2千人が大移動する演習はコロナ対策に逆行し、国民に不安を与えるものです。
今回の演習は、機動師団、機動旅団を設け民間の輸送力も大動員して、南西諸島への部隊の全国展開をはかるという現防衛大綱の具体化の総仕上げです。安保法制のもと、海外で武力行使する自衛隊づくりの一環であり、問題と言わざるを得ません。