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2021年9月1日(水)

マツダ下請け会社のパワハラ

慰謝料支払い命令

広島地裁

 広島県東広島市の自動車部品メーカーでマツダの1次下請けの広島精研工業(株)に勤務する竹原市在住の男性(55)が2019年2月に提訴した「賃下げ・降格・パワハラ裁判」で30日、広島地裁(財賀理行裁判官)は、差別的扱いで精神的苦痛を受けたと認め、会社に対し、100万円の慰謝料と、課長職の地位確認およびこれまでの課長としての手当の支払いを命じました。

 広島精研工業では当時の社長から原告の男性に対し、課長職から一般職への降格に加え▽4カ月半工場内に立たせて仕事を与えない▽残業を1人だけ認めない―などのパワハラが日常的に起きていました。

 財賀裁判官は、被告が原告の残業を許可しなかったこと自体が直ちに違法であるということはできないとしつつ、原告だけ残業を許可しないのは「不合理な差別的扱いにより原告に精神的苦痛を与える」と指摘。約4カ月半にわたり仕事を与えなかったことを「不当な取り扱いだ」と断罪し、当時の社長からの「厳しい叱責で原告をうつ状態に陥らせた」と認定しました。

 代理人の竹森雅泰弁護士は「課長の地位確認とともに、パワハラの慰謝料が認められたことは評価できる」と述べ、男性が所属する全労連・全国一般広島合同労組の門田勇人委員長は「20年6月から、パワハラ防止法が施行されている。今回の判決はそれに沿ったものであり、企業でのパワハラがなくなる分岐点となってほしい」と語りました。

 原告の男性は「みなさんの協力でこの勝利をつかんだ。苦しい日々はあったが、心から喜んでいる」と述べました。


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