2021年8月25日(水)
感染爆発と医療崩壊の中 開幕
「パラ中止を」声広がる
新型コロナウイルスの感染爆発が全国に広がり、東京をはじめ各地で医療崩壊が起こる中で、東京パラリンピックが24日、開催されました。五輪開催時(7月23日)をはるかに超える感染爆発で、十分な治療を受けられず「自宅療養」中に亡くなる人が続出する中での開催強行に、中止を求める国民の声が広がっています。
国際パラリンピック委員会(IPC)によると、東京大会は過去最多の4403人の選手が参加するパラリンピック史上最大規模の大会となります。期間は9月5日までの13日間。
菅義偉首相は24日の自民党役員会で、「共生社会の実現」を世界に伝えたいと述べました。しかし、開催都市の東京の医療崩壊は、命の危機に直面する深刻な状況です。入院患者数4034人に対して、「自宅療養」と「入院・療養等調整中」の合計人数は3万6625人(23日)となっています。「共生」をいうのであれば、コロナ感染から命を守ることこそ最優先されるべきです。
五輪開催後、全国と東京の感染者数は過去最多を記録。東京の感染者数が5000人を超える日が続いています。菅政権が五輪を強行し、国民に誤ったメッセージを送ったことが感染拡大につながりました。政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長も、五輪開催が人々の意識に与えた影響について「私たちはあったと思う」と指摘しています。
爆発的な感染拡大は、参加するアスリートたちにも脅威です。国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は「途中で何か変わってしまったらアスリートの安全と健康を守るために最善の方法で対応する必要がある」と述べ、感染の深刻化など選手の安全が守れないと判断すれば、改めて対応策を検討する考えを明らかにしています。