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2021年8月21日(土)

理由示さず不開示「違法」

学術会議任命拒否 候補6人・法律家が審査請求

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(写真)行政不服審査法に基づく審査請求の後に会見する(左から)小澤隆一・東京慈恵会医科大学教授、岡田正則・早稲田大学大学院教授ら=20日、都内

 菅義偉首相が、日本学術会議の会員候補6人の任命を根拠を示さないまま拒否している問題で、情報開示請求の大部分を政府が不開示としながらその理由を示さなかったとして、6人と法律家の計487人が20日、行政不服審査法に基づく審査請求書を内閣府と内閣官房に提出しました。

 請求書は、不開示の理由の説明がないことなどが違法だとして、不開示決定の取り消しを求めています。同法の規定により、首相が情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、答申を受けることになります。

 任命拒否された6人のうち、提出後に都内で会見した岡田正則・早稲田大学大学院教授は、不開示決定について「どうしても隠したいという態度は、日本の政治、行政の現状を端的に反映している」と指摘しました。

 また、任命拒否は日本学術会議法の規定に反して行われたとして、「民主主義や法治国家の原則からしてはならないことを(首相は)した。しかもその根拠をまったく説明していない。今からでも是正する機会として今回、審査を請求した」と語りました。

任命拒否プロセス解明を

 任命拒否された6人は4月、内閣府などに「自己情報開示請求」を行いましたが、政府は5~6月にかけて「不存在」「保有せず」などとして不開示とし、一部については文書の存否の確認自体を拒否しました。

 これとは別に法律家1162人も任命拒否の理由や根拠がわかる文書の開示を求めました。一部が開示されましたが黒塗り部分が多く、「理由や根拠」がわかる資料はありませんでした。

 行政不服審査法に基づくこの日の審査請求には6人のほか、1162人の法律家のうち481人が名を連ねました。

 請求書提出後の記者会見では、公文書管理や情報開示に詳しく、今回の請求代理人も務める三宅弘弁護士が審査請求後の手続きを説明。「審査委員は法律家で構成され、審査では文書そのものも見ることができる。実際に省庁を訪れて調べることもできる。審査請求書では、口頭だけでなくきちんと調べるよう求めている」と語りました。

 任命拒否された1人の小澤隆一・東京慈恵会医科大学教授は「任命拒否を決めた際の政府内でのやりとりを記録した文書が、これまでほとんど示されていない。違法な決定がなされたことを示すと言わざるを得ない。このプロセスを明らかにすることは民主主義にとって重大な意味を持つ。審査で解明されることを期待する」と述べました。


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