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2021年8月18日(水)

名古屋入管 開示文書ほぼ黒塗り

ウィシュマさん妹「信用できない」

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(写真)開示された文書。スリランカの国名以外はほとんど黒塗りで、右上のページは全面黒塗り

 名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の収容施設でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、本人に関わる文書の開示請求に対し、名古屋入管が黒塗りの文書を送付していたことがわかりました。弁護士らが17日に会見で明らかにしました。

 ウィシュマさんの妹のワヨミさんは「隠したいことがここにある。これを見れば入管が姉を殺したことは明らかだ」と述べ、ポールニマさんは「こんなに黒く塗っているのであれば報告書は信用できない」と述べました。

 弁護士らは同局に対して4月にウィシュマさんに関わる医療や処遇関連の文書の引き渡しを求めましたが、同局は拒否した上で行政文書開示請求の手続きで請求するよう回答していました。5月10日に請求し、8月2日に送られてきた1万5113枚の文書はほとんど黒塗りだったうえ、コピー代の15万6760円を請求されたと言います。

 ウィシュマさんの死亡事件をめぐり、出入国在留管理庁は10日に公表した報告書で「同局の対応の数々の反省点と改善点がある」とし、佐々木聖子長官は「人の命を預かる行政機関としての緊張感や、心の込め方が不十分だった」と述べています。弁護士らは入管庁の報告書はこれらの開示文書のほとんどを占める看守勤務日誌に基づいているはずと指摘しています。

 駒井知会弁護士は「入管がすべての情報を持っており、それをつまみ食いして報告書をつくっている」と指摘。遺族代理人の指宿昭一弁護士は「真っ黒な紙は全てを隠す入管の姿勢を表している。これが国としての正しい姿なのか」と批判しました。


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