2021年8月15日(日)
気候危機 独でデモ
政治家や企業に行動迫る
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【フランクフルト=桑野白馬】気候危機打開に向け行動する若者の団体「未来のための金曜日(FFF)」は13日、金融都市フランクフルトで、銀行による化石燃料への投融資が気候危機を悪化させていると訴え、政治家や企業が気候保護に向けた対策を速やかに取るよう求めデモ行進しました。ドイツ各地から1万5000人(FFF発表)が参加しました。
参加者は「地球が銀行だったら、はるか昔に救われていただろう」と皮肉った横断幕や、地球をアイスクリームに見立て「溶けてしまう!」と書いたプラカードを掲げ市内を行進。「気候正義をいま、実現しよう」と唱和しました。
FFFの大規模デモは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が9日に第1作業部会の報告書を公表してから初めてです。報告書は、温暖化の原因が人間の活動による温室効果ガス排出だと初めて断定。気温上昇が続けば熱波や大雨などの異常気象が深刻化すると指摘しました。
中部カッセルから駆け付けた参加者(17)は「科学的根拠が突き付けられたいま、世界の政治家や企業の責任者はもう言い逃れできない」と強調。「『お飾り』の言葉はいらない。具体的な行動をすぐに示すかどうか、ここで声をあげている皆が見ている」と話しました。
南西部オッフェンブルクから来た参加者(16)は「IPCCのニュースを見て、怖くなった」と両手で顔を覆いました。ドイツ西部で発生した豪雨による洪水や世界で頻発する異常気象が頭に浮かんだと言います。ブレドウさんは「目をそらしたくなることもある。でも、ここで勇気を出して行動するかどうかが、わたしと次の世代の未来を決めると思う」と話しました。