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2021年8月4日(水)

アフガン人協力者めぐり米が方針

受け入れも 高い壁

難民扱い 出国必要 申請中の生活支援無し

 【ワシントン=島田峰隆】米国務省は2日、アフガニスタン駐留米軍に協力したアフガン人について、米国の査証(ビザ)の取得資格がない場合でも一定の条件を満たせば、難民として受け入れる方針を発表しました。非政府組織(NGO)などは条件があまりにも厳しく設定されているとして批判しています。


 難民申請ができるのは、米国のメディアやNGOなどで働いていた現地スタッフとその家族です。

 希望者はまず自力でアフガン国外に出て、第三国から申請しなければなりません。旅費や宿泊の費用は本人負担です。申請承認までには1年以上かかる可能性があります。米政府はその間の生活支援について現時点では計画を示していません。

 世界の支援団体でつくる国際NGO「インターアクション」は2日の声明で、国務省の発表について「受け入れられない」と表明。反政府勢力タリバンが支配している国境検問所もあり、近隣諸国もかならずしもアフガン人を歓迎しない可能性があると指摘。「ビザ申請のために住む場所を奪うのは、米国に協力したアフガン人をさらに危険にさらす行為だ」と批判しました。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は2日、申請には安全面や資金面などで多くの障害があるとし、「最も貧しいアフガン人を排除しそうだ」と報じました。

 バイデン米政権は8月末までに駐留米軍の撤退を完了するとしています。タリバンは各地で攻勢を強め、米軍協力者らへの報復の懸念が強まっています。バイデン政権は、米政府機関や米軍部隊で働いていたアフガン人向けの「特別移民ビザ」の手続きを進めています。同ビザの取得資格を持たない協力者も多く残されており、問題となっています。


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