2021年7月28日(水)
南北通信線が復旧
韓国・北朝鮮首脳「信頼回復を」
韓国大統領府は27日、北朝鮮との通信線が13カ月ぶりに復旧したと発表しました。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が今年4月以降、複数回にわたって親書を交わし、合意しました。北朝鮮の朝鮮中央通信も同様の内容を報じました。(栗原千鶴)
大統領府は、「一日も早く相互信頼を回復し、関係を再び進展させていこうということにも意思を共にした」と述べ、「関係改善と発展に肯定的に作用するものと期待する」と表明しました。
朝鮮中央通信は「現在、全同胞は挫折と沈滞状態にある北南関係が、一日も早く回復されることを切に望んでいる」と強調。「互いに信頼を回復し、和解をはかる大きな一歩を踏み出すことで合意した」と述べました。
南北は2018年に3度の首脳会談を開催。そこでの合意に基づき、南北間の軍事的緊張緩和に向けた措置や、南北協力促進のための南北共同連絡事務所を北朝鮮南部・開城に設置するなどしてきました。
しかし19年2月のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談が決裂して以降、南北関係は停滞しました。
昨年6月には韓国の脱北者支援団体が北朝鮮に向けて体制批判のビラを飛ばしたことを理由として北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破。通信線が遮断され、関係は悪化しましたが、文氏は、一貫して北朝鮮側に対話を呼びかけていました。
韓国メディアは専門家の話として、「経済制裁や新型コロナウイルス感染が広がるなかで難しい米朝関係より南北関係から解決しようという意志が見える。シャーマン米国務副長官や対北朝鮮特別代表が訪韓する過程で韓米間でもこの問題を調整したとみられる」と報じました。