2021年7月27日(火)
五輪「負担と迷惑の同義語」
「東京後に再興を」
仏紙ルモンド社説
次回パリ五輪(2024年)の開催国となるフランスの有力紙ルモンドは、26日付で「東京大会後に五輪の再興を」と題する社説を掲載しました。
社説では、東京五輪の復興シンボル化は「パンデミックで影を潜めた」が、五輪は「かつてなく復興を必要としている」と論じています。
東京五輪は、大会延期や「国民の意に反した五輪開催という国民の不信感」、無観客などから、「始まる前から台無しになった」と評価。
「五輪ならではの優秀なパフォーマンスや感動シーン」が繰り広げられるだろうが、「私たちは事実を直視しなければならない」と警告しています。
「政治利用、繰り返されるドーピングや汚職のスキャンダル、金銭的利害の影響の増大」で五輪の精神は「変質してしまった」。「より速く、より高く、より強く」のモットーが「より高価で、より疑いがあり、より政治的な」五輪になったと批判しています。
また、「五輪の巨大化はとっくに限界に達している」として、東京五輪は「想定予算の倍以上で、史上もっとも高コストの大会の一つ」だと指摘。五輪は地元住民にとって「負担と迷惑の同義語」と批評しています。
次回パリ大会に向けて「五輪の精神の再興を始めるのに3年以上の歳月がかかることは間違いない」と結んでいます。(米沢博史)