2021年7月17日(土)
森友文書不開示 二審も「違法」
大阪高裁
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学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地格安売却をめぐり財務省近畿財務局と学園との交渉記録等の開示を正当な理由もなく遅らせたのは違法として、上脇博之神戸学院大学教授が国に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が16日、大阪高裁(石原稚也裁判長)でありました。「文書を意図的に不開示にした」と認定した一審判決に続き、二審も国の違法性を認めました。
判決は「文書管理の実情が極めてずさんだ」と新たに指摘。上脇氏は「本来の行政がまったく正常に機能していないことを高裁も認めた大きな判決」と評価しました。一方、不開示の明確な理由が示されなかった点について「理由が示されなければ請求した側は対応ができない。こんなことがあちらこちらで起こったら情報公開制度が崩壊する」と話しました。
今回の控訴審は、一審で勝訴した上脇氏らが、不開示の経過のさらなる解明を求めて行われたものですが、中村稔財務省理財局総務課長(当時)らの証人尋問は認められず実現しませんでした。判決も、国が支払う33万円の賠償額は維持されましたが、控訴自体は棄却されました。
上脇氏らは、最高裁でも国の違法性を認定させたいとして上告の意向を示しました。