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2021年7月13日(火)

人種差別克服へ「一歩」

リー将軍像を撤去

米バージニア州「奴隷制の象徴」

黒人女性の請願実る

 【ワシントン=遠藤誠二】米南部バージニア州シャーロッツビルで10日、南北戦争の南軍司令官、リー将軍らの像が市内の公園から撤去されました。奴隷制の象徴といわれる像が取り除かれたことで、米国で人種差別を克服する「一歩だ」と歓迎の声が上がっています。


 トーマス・ジャクソン将軍や、先住民追い出しを進めたウィリアム・クラーク(探検家、軍人)らの像もあわせて撤去されました。黒人女性のウォーカー市長は10日、「経済的利益のために黒人を破滅させることをいとわないという罪に立ち向かうよう、シャーロッツビルとバージニア州、米国に助力するという目標に近づく小さな一歩だ」と語りました。

 シャーロッツビルのリー将軍の像撤去は2016年、当時高校生だった黒人女性ジアーナ・ブライアントさんが請願署名を始め、市議会が翌17年、撤去を決めました。同年8月には、撤去に反対する白人至上主義グループと賛成派が衝突し、女性1人が亡くなる事件も起きました。トランプ前大統領は当時、撤去反対派にも「素晴らしい人がいる」などと発言し批判を浴びました。

 ブライアントさんは10日、「白人至上主義、人種差別、そして憎悪には意思表示の場はない」と地元メディアに語りました。

 バイデン大統領は同日、報道官を通じて「南軍指導者の像は公共の場ではなく、博物館に展示されるべきだ。今回の像撤去を歓迎する」とコメントしました。

 米国内では、南軍指導者らの像は、奴隷制や人種差別の象徴だとして各地の公的な場所から撤去されています。昨年5月に中西部ミネソタ州ミネアポリスで起きた白人警官による黒人男性殺害事件後、この動きはさらに進んでいます。


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