2021年7月10日(土)
派兵で紛争解決されぬ
第5回 国際反基地・反戦会議
世界の反基地運動団体が交流する第5回国際反基地・反戦会議が8、9の両日、ドイツ西部・ラインラント・プファルツ州カイザースラウテルンを会場に、オンラインでの参加を交えて開かれました。日本からは沖縄のたたかいについて、日本共産党の渡久地修沖縄県議がビデオ報告しました。
地元のラムシュタイン米軍基地撤去を求めて運動する平和団体や、国際平和ビューロー(IPB)、戦争ノーNATO(北大西洋条約機構)ノー国際ネットワークなどが主催しました。今回は、アジア、アフリカの軍事基地が主要テーマになりました。
米インド太平洋軍の本部があるハワイから報告したアン・ライト氏(退役軍人平和会、コードピンク)は、日本、韓国、グアム、ハワイ、オーストラリアなどにある多数の米軍基地の実態を報告。また中国が、アフリカのジブチに基地を設置したのに続いて、アラブ首長国連邦(UAE)、キリバス、カンボジア、タンザニアなどで基地建設の交渉を行っていることを指摘しました。ロシアも、冷戦終結後初の西太平洋での海軍演習を実施したと述べました。
韓国のムン・アヨンさん(IPB評議員、「ピースモモ」)は、在韓米軍の増強の動きについて報告しました。在韓米軍司令部の平沢米軍基地への移転、星州の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」基地建設、群山空軍基地の拡張に、住民の反対運動が起こり、米軍基地の存在が性犯罪や環境汚染、犯罪を起こした米兵の裁判権などの問題を引き起こしていることを告発しました。
ルワンダのイノセント・ムソールさん(環境と和解のためのグローバルイニシアチブ)は、ルワンダ内戦でツチ人の虐殺を行った武装勢力がコンゴ(キンシャサ)東部で100以上活動しており、マリ、リビア、チャド、エチオピアなどアフリカ各地で紛争が続いていると指摘。「紛争と暴力の解決策として軍事基地が提案され、平和維持軍も派遣されてきたが、解決策になっていない」と批判しました。