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2021年7月9日(金)

学術会議 任命拒否「不開示は違法」

会員候補 審査請求を検討

文書隠滅疑う 首相に責任

 菅義偉首相が、日本学術会議が推薦した会員候補6人を理由を示さないまま任命拒否している問題で、6人本人らによる情報開示請求の大部分を政府が不開示としたことを受けて、請求人らが8日、都内で会見しました。不開示決定は違法として、行政不服審査法に基づく審査請求を検討する方針を明らかにしました。


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(写真)記者会見する岡田正則・早稲田大学大学院教授(右)と小澤隆一・東京慈恵会医科大学教授=8日、都内

 任命拒否された6人は内閣府や内閣官房に「自己情報開示請求」をしましたが、国側は5~6月にかけてすべてについて不開示決定。「不存在」「保有せず」などが理由でしたが、一部は「公正な人事に支障を及ぼす」として請求を拒否しました。

 また、弁護士ら法律家1162人が任命拒否の理由や根拠がわかる文書などの開示を求めましたが、国は一部のみ開示したものの「黒塗りも多く、理由や根拠が分かるものは全くない」(請求人共同代表の福田護弁護士)という結果でした。

 任命拒否をめぐっては、杉田和博官房副長官が内閣府に対し、任命時に除外する候補者を伝えたことを示す文書が、政府から国会に示されています。

 任命拒否された1人の岡田正則・早稲田大学大学院教授はこれを念頭に「『外すべき者』という文書があるので、除外する理由についての文書がやり取りされたことは確実。あったものが無くなった理由を明らかにしないと、文書隠しや文書の隠滅があったと疑われて当然だ」と指摘。

 「人事に支障が及ぶ」という不開示理由についても「なぜ本人に文書を開示することで人事に支障が生じるのか。それを説明しないと違法だ」と語りました。

 やはり任命拒否された小澤隆一・東京慈恵会医科大学教授は「『文書がないはずがない』というのが私たちの立場だが、もし文書がないとすると、根拠もなく日本学術会議法の規定に反する任命拒否をしたということになる」と政府の姿勢を批判。日本学術会議法が会員数を「210人」と具体的に定めていることから「(6人が任命拒否されたために)違法な状態となった。これをつくり出した責任が首相にある」と語りました。

 1162人の請求人共同代表で、公文書管理などに関する政府機関委員も務めてきた三宅弘弁護士は今後の取り組みについて、「不服審査請求をし、例えば黒塗りにされた部分を法律家らでつくる審査委員に見てもらうことが可能。いかに違法な手続きがされていたのか、これから明らかにしていく『第2ステージ』が始まる」などと語りました。


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