2021年6月24日(木)
独スタジアム虹色点灯 UEFAが拒否
国内外から抗議の声
【ベルリン=桑野白馬】欧州サッカー連盟(UEFA)は22日、欧州選手権(ユーロ2020)ドイツ―ハンガリーの試合会場となるアリアンツ・アレーナを性の多様性を象徴する虹色に点灯するよう要請したミュンヘン市の提案を拒否しました。この決定に対し、国内外から抗議の声があがっています。
会場があるミュンヘン市は、ハンガリーで15日に可決された同性愛や性転換に関する情報を18歳未満に広めることを規制する法案に抗議し、LGBTQ+(性的少数者)のコミュニティーへの連帯を示すためスタジアムの点灯を要請。しかし、UEFAは「政治的、宗教的に中立の組織」だとした上で「ハンガリー議会に対するメッセージで、政治的な主張だ」と提案を拒否しました。
ミュンヘンのライター市長は「恥ずべき決定だ」と批判。フランス代表のアントワン・グリーズマン選手はツイッターに、虹色に点灯されたサッカースタジアムの写真と、握りこぶしの絵文字を投稿し市の提案に支持を表明しました。
ドイツ国内のスポーツクラブも次々と抗議を表明。首都ベルリンをはじめ国内各地のサッカースタジアムは、現地時間23日夜に行われるドイツとハンガリーの試合中、スタジアムを虹色に点灯することを決めました。
ドイツ代表のゴールキーパー、マヌエル・ノイアー選手は、LGBTQ+の権利向上を呼びかける6月の「プライド月間」に合わせ、試合中に虹色の腕章を着用しています。UEFAは政治的主張に当たるとして調査していたものの、「多様性の象徴に当たる」と結論付け容認しています。ノイアー選手はハンガリーとの試合でもこの腕章を着用する予定です。