2021年6月18日(金)
塩川氏「五輪で感染拡大」
倉林氏「人流抑制が重要」
宣言一部解除 衆参議運委質疑
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衆参両院の議院運営委員会は17日、緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」の一部解除にあたり政府から事前報告を受け、質疑を行いました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、倉林明子参院議員が質問しました。
塩川氏は、政府分科会の尾身茂会長が、今夏は(1)宣言解除で東京の人流加速(2)夏休み、お盆、帰省による人流加速(3)変異株の影響―で感染リスクが大きいと述べたと指摘。政府の認識をただしました。西村康稔経済再生担当相は、そうした指摘があったとし、「昨年も感染が広がった。デルタ株(インドで確認された変異株)もある」と感染拡大のリスクを認めました。
塩川氏は、ワクチン接種による集団免疫は、夏までに効果が見込めないのではないかと追及。西村氏は「集団免疫とはならないだろう」と認めました。
塩川氏は、「このような夏に五輪を開催すれば、感染拡大を招く」と強調。「子どもの運動会、修学旅行は中止なのに、なぜ五輪だけ特別にやるのか」との国民の声にどう答えるのかただしました。西村氏は「理解いただけるよう取り組む」と答えるのみ。塩川氏は「国民の声に答えていない」と批判し、五輪中止を求めました。
倉林氏は、厚労省の専門家組織アドバイザリーボードによると、デルタ株の陽性率は3週間で6・2%、3倍に急増したと指摘。デルタ株の影響が小さく、人流を10%に抑えた場合でも、7月後半から8月前半に宣言の再発令が必要だと指摘されていることをあげ、「宣言発令でも東京五輪は開催するのか」とただしました。
西村氏は、「最終的な判断権限はIOC(国際オリンピック委員会)にある」と述べるにとどめました。倉林氏は「やらないと言えないのは問題だ。『国民の命と健康を守る』という立場と両立しない」と批判しました。
倉林氏は、リバウンド(感染再拡大)させないためには、人流抑制が重要だと指摘。大型スクリーンで中継するライブサイトやパブリックビューイング(PV)の計画の規模をただしました。
西村担当相は、東京都と自治体、組織委員会の共催が19自治体で30会場あり、うち14カ所は中止予定だと答弁。各地の自治体が主催するライブサイトは145自治体、227会場だと述べました。
倉林氏は、人流を加速させるPVや小中学生の観戦を中止する判断は自治体任せにするのではなく、政府の責任で中止を要請するよう求めました。