2021年6月6日(日)
弾圧に屈せず 光ともす
香港 「天安門」犠牲者を街頭で追悼
【北京=小林拓也】中国の北京で民主化を求める学生や市民の平和的なデモを中国共産党指導部が武力弾圧した天安門事件(1989年6月)から32年となった4日、香港で警察が追悼集会を禁止し厳戒態勢を敷く中、香港市民は弾圧に屈せず、街頭などでろうそくの火を掲げて犠牲者を追悼しました。香港国家安全維持法(国安法)施行からまもなく1年となり、政権による弾圧が強まる中、市民の自由を求める声が香港各地に響きました。
香港では毎年6月4日夜に香港島のビクトリア公園で大規模な追悼集会が行われていました。しかし香港警察は、新型コロナウイルス対策を名目に、昨年に続き今年も追悼集会の開催を禁止。公園を封鎖し、計7000人の警官を配備して、追悼を取り締まりました。香港警察は同日、無許可の集会への参加を扇動したなどとして6人を逮捕しました。
封鎖された公園周辺の繁華街で多くの市民が追悼活動を実施。繁華街でろうそくを掲げていた男性は香港メディアに、「十数年以上、この日は追悼集会に参加してきた。警察のやり方は不合理だ。香港の自由のため、今年もろうそくの火を掲げて追悼することを堅持する」と語りました。