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2021年6月5日(土)

「天安門」追悼 弾圧の構え

香港警察、事件から32年で

 【北京=小林拓也】中国の北京で民主化を求める学生や市民の平和的なデモを中国共産党指導部が武力弾圧した天安門事件(1989年6月)から4日で32年になりました。

 中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)副報道局長は3日の記者会見で事件について「80年代末に起きた政治風波(騒動)に対して中国政府は明確な結論をすでに出している」と主張。「(建国以来の)偉大な成果が、中国が選んだ発展の歩みが完全に正しかったと十分に証明している」と、武力弾圧を正当化しました。

 香港メディアによると、事件の犠牲者の遺族でつくる「天安門の母」のメンバーは4日、当局の監視の下、犠牲者の墓参りをしました。メンバーは墓地で、「犠牲者の名誉回復を求める。生きている者は、最後までたたかい続ける」と宣言しました。

 香港メディアによると、香港警察は4日朝、民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」(支連会)の鄒幸彤(すう・こうとう)副主席と20歳の男性を逮捕しました。鄒氏はSNS上で、警察の禁止にひるまず、毎年追悼会場になっていた香港島中心部のビクトリア公園で追悼を行う意思を示していました。

 警察は午後から、同公園を封鎖。「追悼に訪れる者は最高で5年の懲役刑になる」と威嚇し、香港での追悼活動を徹底弾圧する構えを示しています。


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