2021年6月4日(金)
公明都議と“同時実施”
赤羽国交相視察で調整
武田議員が国会で追及
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閣僚の視察が特定政党の選挙活動に利用されたのではないか―。日本共産党の武田良介議員が3日の参院国土交通委員会で、赤羽一嘉国交相(公明党所属)にこう迫りました。都議選(6月25日告示)を控えた5月下旬、赤羽氏の都内視察に、国交省が公明党の国会議員や都議、予定候補者の視察を同時に実施できるよう調整していたことが明らかとなりました。
5月24日の荒川・隅田川の視察には、同党の岡本三成衆院議員、高橋光男参院議員、大松成、慶野信一両都議らの視察が、同26日の東京都中野区の視察には、岡本議員、高倉良生都議らの視察が同時に行われました。高橋議員はブログで「東京都議選大勝利へ」との見出しで、候補者と視察した写真を掲載しています。
武田氏は、都議選間近に、公明党の国会議員や都議と一緒に視察すれば、「視察が特定政党の選挙活動に利用されたと国民に疑念を抱かせることになる」と批判。赤羽国交相は、「現地視察は意味があった」と述べるにとどまりました。
武田氏は、直近1年間の国会議員が同行した赤羽国交相の視察をまとめた国交省資料を示し、計29回の視察のうち公明党議員の同行が28回、計35人と突出しており、「特定政党を優遇していると言わざるを得ない」と強調。赤羽国交相の視察を計画する際に、同時期・同場所で国会議員の視察の要請が偶然あった場合に、同時に視察できるよう調整してきたという政府の説明をあげ、「29回の視察も同じ経過なのか」と追及しました。
国交省の瓦林康人官房長は、「29回ともそのような経緯だ」と答弁。武田氏は、「偶然がこんなに続くのか疑問だ」と強調。「大臣の視察が特定政党の選挙活動に利用されてはならない」と批判しました。