2021年5月28日(金)
ウーバー 英で労組認める
ギグワーカー他社に影響も
米配車サービス大手ウーバーと英労組・全国都市一般労組(GMB、組合員62万人)は26日、ウーバー側が英国で同社と契約している運転手約7万人を代表する労組としてGMBを認め、労働者の賃金や年金、職務中の安全性などについて団体交渉をすると発表しました。両者が協議で合意しました。
世界ではライドシェア(相乗り)労働者など、インターネットのアプリを通じて単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の権利や労働条件が問題になっています。ギグワーカーが働く他社の労働者にも影響を及ぼしそうです。
英最高裁は、今年2月に同社の元運転手2人に従業員としての権利を認める判断を示しており、今回の合意はそれを受けたものです。ウーバーは3月に最低賃金や年金などを保障すると決定。しかし労組側は、ギグワーカーを同社の完全な従業員にすることを要求し、協議していました。
GMB幹部のミック・リックス氏は「他のギグエコノミーの会社も、従業員の権利について開拓時代の米国西部のような振る舞いはできないことを示した」と強調しました。
ウーバーの北・東欧地域統括責任者ジェミー・ヘイウッド氏は「労働者擁護のためにGMBと重要な合意に達した。ウーバーは、運転手に全国生活賃金(最賃)、有給休暇、年金を保障し、労組を認めるという歴史的合意をした、この分野で最初の企業だ」と語りました。