2021年5月20日(木)
「高齢者医療費2倍化法案」 倉林議員の質問(要旨)
参院本会議
日本共産党の倉林明子議員が19日の参院本会議で行った「高齢者医療費2倍化法案」についての質問(要旨)は次の通りです。
法案は世代間の公平を口実に、高齢者に医療費のさらなる負担増を求めるものです。コロナ禍で多くの高齢者の健康、いのち、暮らしが危険にさらされ続けているさなか、追い打ちをかけるものだとの認識はありますか。
総理は75歳以上への医療費2割負担の対象を決める際、受診抑制が1050億円にも及ぶ事実を知らなかったことが明らかになりました。受診抑制などの影響を否定してきたことに根拠がなかったのではありませんか。
全日本民医連の経済的理由による手遅れ死亡調査では毎年50人以上が亡くなり、75歳以上は1割を占めています。窓口負担増が受診抑制と健康悪化に直結することは、火を見るより明らかです。
治療が遅れ重篤化すれば、親の生計を支え、介護を担う現役世代の生活も危うくしかねません。負担増を合理化するために世代間対立をあおることはやめるべきではないですか。真に現役世代の負担軽減を言うのなら、減らしてきた国庫負担を抜本的に増額すべきです。
法案は(国民健康保険の)都道府県運営方針に法定外繰り入れの解消、保険料水準の統一を記載させるものです。自治体の自主的な判断に国が上から変更を迫るということですか。現在でも負担能力を超えた高額な保険料を課しているのに、都道府県で統一し、法定外繰り入れをなくせば、さらなる保険料の引き上げは避けられないのではありませんか。
自治体が条例や予算で住民福祉のための施策を行うことを、国が「禁止」したり、廃止を「強制」したりすることは、憲法が定める地方自治の本旨と条例制定権を侵すもので、断じて許されません。
国保料について、収入のない子どもからも保険料を徴収する均等割は人頭税と同じで、再三廃止を求めてきました。今回、未就学児について2分の1を減額した場合、公費負担するとしています。子育て支援の拡充と言いながら、なぜ未就学児に限定し、半額にとどめたのですか。均等割は被用者保険にはなく、保険料を大幅に引き上げる原因になっています。コロナ禍、子どもたちにも広がる貧困・格差の解消に向けて、せめて子どもの均等割は廃止すべきです。
法案は(生活保護の)医療扶助を利用する際、マイナンバーカードによる資格確認を原則とします。カード取得も資格確認も現在は任意です。生活保護を利用しているからといって自己決定を否定されることは、差別以外のなにものでもないことを指摘します。