ニューヨークの「気候時計」って？

　Ｑ　米ニューヨークにある「気候時計」って何？

　Ａ　気候変動の影響が取り返しのつかないレベルに達することを防ぐために、人類に残された時間を示した「時計」です。同市マンハッタン区南部の公園「ユニオンスクエア」の前に芸術作品として建てられたビル「メトロノーム」のＬＥＤ掲示板に常時表示されています。

　Ｑ　どういうふうに表示されているの？

　Ａ　二酸化炭素の排出量が今のまま続く場合、地球の平均気温が産業革命前と比べて１・５度上昇するまでに掛かる時間を「●年●日●時間●分●秒」で刻々と示しています。１・５度を超えると海面上昇などの影響が深刻化するといわれます。「地球には最終期限がある」といったメッセージも表示されます。

　Ｑ　いつ、どういうきっかけで始まったの？

　Ａ　元はカナダのコンコーディア大学の研究施設が２０１５年、インターネット上に掲載を開始。２０年９月２１～２７日に取り組まれた「気候ウィーク」に合わせ、２人の芸術家・環境活動家が「メトロノーム」の掲示板を創作しました。

　Ｑ　今年の「国際母なる地球デー」（４月２２日）を前に始まった新たな表示って何？

　Ａ　４月１９日から「時間」とともに、世界のエネルギー源に占める再生可能エネルギーの割合も刻々と示されるようになりました。米メディアによると「前向きなメッセージも伝えたい」という創作者の意図を反映したものです。現在はおよそ１２％です。

　（２０２１・５・１０）