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2021年5月10日(月)

中四国 増える米軍低空飛行

安全侵害

写真

(写真)低空飛行をここで見たという住民=4月26日、鳥取県八頭町

 米軍機による危険な低空飛行が中国・四国地方で相次いでいます。中国地方では、中国山地沿いのブラウンルート、四国地方は四国を東西に横切るオレンジルートの低空飛行訓練ルートがあります。住民の安心と安全な暮らしをおびやかし続け、「人権侵害だ」との声もあがっています。

 オレンジルート下にあたる高知県では、県内の飛行回数は県が公表を始めた2014年から18年が年間13回から62回でしたが、19年は116回に増え、さらに20年は252回と2倍以上となりました。今年も、4月までに105回と、昨年同時期の83回を上回っています。最近では、オレンジルート以外の飛行が、19年が約30%、20年が約45%と急増。高知市、いの町、四万十町など中西部で増えており、新たな訓練ルートがつくられている可能性もあります。

 ルート直下の本山町の保育士(32)は「米軍機の恐怖とか感じずに、子どもたちには安全なところで育ってほしい。低空飛行は人権侵害です」と話します。

 鳥取県では、ブラウンルート下にある、東部(若桜、八頭、智頭の3町と鳥取市)で目撃情報が増えています。20年度の目撃件数は、県に届けられたものだけで50件、内訳は若桜、八頭の両町で38件など、東部地域で46件でした。住民らは昨年秋、「そらはつながる」(低空飛行訓練を考える会)を結成し、学習会や訓練中止の署名活動に取り組んでいます。住民らの声を受け、中国地方知事会は昨年5月、国に低空飛行訓練の中止などを要請しました。

 低空飛行急増の主な要因として、米軍岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機の移駐が3年前に完了し、約120機が所属する東アジア最大の米軍航空基地になったことがあげられています。

 鳥取・岩見幸徳
 高知・浦 準一


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