2021年5月5日(水)
日本の温暖化対策新目標
計画性なく「混乱」
英紙
【マドリード=桑野白馬】英紙フィナンシャルタイムズは3日付(電子版)社説で、菅義偉首相が米政府主催の気候変動サミット(首脳会議)で2030年度の温室効果ガス削減目標を現行の13年度比26%削減から同46%削減とすると表明したことに関し、根拠のない目標設定が、「官僚を混乱に陥れた」と報じました。
記事は、46%の削減目標は菅首相が「何の相談も政治的な議論もなく、実現可能性の分析もないまま押し付けた」と指摘。小泉進次郎環境相が報道番組で「おぼろげながら浮かんできた」数字だと述べたことに触れ、「政府の計画性のなさを象徴するコメントで、批判とソーシャルメディアでの嘲笑を浴びた」とやゆしました。
その上で、国家エネルギー戦略策定に関わる諮問委員の「政府は完全に混乱している。日本はこの事態に何も備えていない」とのコメントを紹介。新目標達成のためには、今後9年で温室効果ガス排出量の大幅な削減が必要になるものの「専門家は公然と(目標の)信ぴょう性を疑っている」と報じました。