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2021年4月18日(日)

「対中国」で同盟強化 鮮明

「台湾」52年ぶり声明明記

辺野古は推進 日米首脳が会談

 【ワシントン=遠藤誠二】菅義偉首相とバイデン米大統領による初の日米首脳会談が16日午後(日本時間17日未明)、ワシントンのホワイトハウスで開かれました。1月に就任したバイデン氏と対面で会談した首脳は菅氏が初めて。発表された共同声明は、「日米同盟を一層強化する」と表明。「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と明記し、1969年11月の佐藤栄作首相とニクソン大統領の共同声明以来、52年ぶりに「台湾」が日米首脳の共同合意文書に盛り込まれました。

 会談後の共同記者会見で両首脳は、中国への軍事的圧力を前面に掲げた3月の日米安保協議委員会(2プラス2)での認識を確認。菅氏は「抑止力、対処力を強化していく。防衛力強化への決意を伝えた」と言明し、軍事力の強化を誓いました。米側は共同声明で「核を含むあらゆる種類の米国の能力」に言及。核兵器禁止条約に真っ向から背き、「核抑止」を掲げました。

 また、共同声明は沖縄県・米軍普天間基地の「固定化を避ける唯一の解決策」だとして、名護市辺野古の米軍新基地推進を明記。馬毛島(鹿児島県西之表市)への米空母艦載機着艦訓練場や在沖縄米海兵隊のグアム移転など基地強化を掲げました。さらに、米軍思いやり予算特別協定について、「有意義な多年度の合意を締結する」ことが盛り込まれました。

 両首脳は、東シナ海、南シナ海における中国の「力による現状変更の試み」への反対で一致。共同声明で、新疆ウイグル自治区と香港の人権状況をめぐり、「深刻な懸念を共有する」と明記。北朝鮮の核・ミサイル開発や日本人拉致問題に言及し、ミャンマー情勢について懸念を表明しました。

 両首脳は経済や新型コロナウイルス、気候変動でも合意文書を発表。高速大容量規格「5G」と次世代規格「6G」の最先端通信技術開発に日米で計45億ドル(4900億円)を投資することで合意し、中国とのハイテク分野での競争に共同で対抗する姿勢を示しました。半導体を含む機微なサプライチェーン(供給網)や重要技術の育成・保護での協力でも一致しました。

 共同会見でバイデン氏は、最先端技術への投資は、「専制主義ではなく、民主主義の規範によって管理されている」と強調し、中国との対抗意識をあらわにしました。


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